ペット保険の初心者必見!3分でわかるペット保険の選び方
ペット保険は大きく分けると2種類あります。1つ目は「通院・入院・手術の補償(以下、Aタイプ)」 と、もう1つは「入院・手術特化型(以下Bタイプ)」 です。
補償を充実させたい方はAタイプ(通院・入院・手術の補償)にするべきです。 なぜならばAタイプには通院補償があり、Bタイプ(入院・手術特化型)には通院補償がないためです。
逆に保険料を抑えたい方には通院補償はありませんが、大きな治療費の負担を防ぐためにBタイプ(入院・手術特化型)に加入することをお勧め いたします。
今回はクレディセゾンでペット事業を担当し、実際にミニチュアシュナウザーを飼っている筆者がペット保険の選び方やメリットなどを詳しく解説いたします。
・ペットが病気になった場合、一般的な治療費は年間5.4万円
まずはペット保険の選び方を導くために、ケガや治療費のデータを確認します。以下は毎年行っているペット保険最大手のアニコム社が行っている「家庭どうぶつ白書2021」の「ペットにかける年間支出調査」です。
◆ 1年間にかかるケガや病気の治療費
参考:アニコム損保
家庭どうぶつ白書2021「ペットにかける年間支出調査」
3年間の費用を単純に計算すると1年間の平均治療費は約5.4万円 のようです。また、2019年から2020年にかけて治療費の平均値は大幅に伸びておりますが、これはコロナの影響によって、在宅ワークなどによりペットといる時間が増えました。これによってペットの気になる点も増え、動物病院に行く回数が増えたことが大きな要因であると考えます。
このデータを見た結論としては、ペットが病気になった場合にはそれなりに負担はかかるのでペット保険には加入をしておいた方が良さそうですね。
・ペット保険は大きく分けると2種類
ペット保険の商品はAタイプ(通院・入院・手術の補償)とBタイプ(入院・手術特化型)の大きく2種類に限られます 。 商品の典型的な違いをアイペット損害保険会社の商品で比較して解説したいと思います。下記の表をご覧ください。
※ 補足説明
・最低支払対象治療費:治療費が29,999円だった場合は、補償の対象外となる
・補償割合:補償割合 70%の場合 = 治療費1万円 × 70% = 7千円 (7千円は保険で補償し、3千円は自己負担)
・年間補償限度額:年間122.4万円の補償を受けると、年内においてそれ以降の治療は全て自己負担となる
この表から分かるように、AタイプとBタイプの最も大きな違いは補償内容と保険料 です。Bタイプは 補償範囲が限定されますが、Aタイプと比べると保険料を約3分の1から2分の1程度に抑えることができます 。
次の章ではAタイプとBタイプの中から保険会社や商品を選ぶポイントを解説いたします。
・2種類のペット保険から商品を選ぶポイント
Aタイプからペット保険を選ぶ時のポイントは以下の
3つが重要 です。
Aタイプ(通院・入院・手術の補償)から選ぶ3つのポイント
1. 保険金の請求方法・・・便利な窓口精算ができるかどうか
窓口精算の有無でペット保険を選ぶことが1つ目のポイント です。動物病院に通院をした場合、通院代金の一部を補償してくれることがペット保険の役割ですが、その補償を受けるパターンは2つあります。
(A)後日精算・・・ 動物病院で支払いをした後、保険金を請求
(B)窓口精算・・・ 保険金を差し引いた金額を動物病院で支払う
窓口精算は後で保険金を請求する必要がないため、とても便利 です。現在はアニコム社とアイペット社が多くの動物病院で窓口精算を使うことができます。
2. 補償割合
2つ目のポイントは補償割合で選ぶこと です。先ほどのアイペット損害保険会社の商品で解説いたします。
これは動物病院で治療を受けた際、補償割合が70%のプランに加入をしていた場合「補償割合 70%の場合 = 治療費1万円 × 70% = 7,000円」となり、7,000円は保険で補償することができますが、3,000円は自己負担となります。
また、補償割合の高さに応じて保険料も高くなります。このように補償割合によって保険料が決まってくるため、補償割合がペット保険を選ぶ2つ目のポイントとなります。
3. ペット保険会社の安定性
3つ目はしっかりとしたペット保険会社を選ぶこと です。これは当たり前のことかもしれないですが、ペット保険会社が倒産してしまうと保険金が請求できず大変なことになります。気に入ったペット保険会社があった場合、以下の
3つのポイントを中心にホームページを確認してください 。
ホームページ確認の3つのポイント
1. 保険金の請求方法が簡単
2. 会社概要から「ディスクロージャー誌」が簡単に確認できる
3. お知らせ欄に行政処分など悪い情報がないこと
「2」のディスクロージャー誌についてだけ説明しておきます。ディスクロージャーとは財務内容容や業務内容など企業の経営内容を開示すること です。さらに、企業活動全般を判断するための情報が記載されているものをディスクロージャー誌と呼びます。
今回のポイントはディスクロージャー誌の中身の問題ではなく、ホームページ上から簡単にディスクロージャー誌を確認することができること です。なぜならば、経営状態が良いペット保険会社はディスクロージャー誌を堂々と確認しやすい場所で開示をしている からです。
Aタイプ(通院・入院・手術の補償)からペット保険を選ぶ時はこの3つポイントを軸に選んでみてください。
次にBタイプ(入院・手術特化型)からペット保険を選ぶ時のポイントです。Bタイプの場合、ポイントは1つ です。
・補償内容
Bタイプ(入院・手術特化型)から選ぶ場合は、補償割合から選ぶだけで問題ありません 。なぜならば、主にこのタイプのペット保険を取り扱っている主な会社は「 アニコム損保・アイペット損保・SBIプリズム少短」の3社しかなく大きな違いは補償内容のみ だからです。
よって、Bタイプ(入院・手術特化型)を希望する場合には、以下の表や各社のホームページを参考に商品を選んでください。
◆ Bタイプ(入院・手術特化型)の商品一覧
※ アイペット損保の場合、入院補償は手術を伴った場合の入院が対象
・ケーススタディ
これまでペット保険の選び方を解説して参りましたが、これまでの筆者の経験としては過去にラブラドールレトリバーを飼っていました。そのラブラドールレトリバーは
突然、5歳で癌におかされてしまい、2回の大きな手術を行い100万円近い治療費がかかってしまいました 。
これまで
全く病気をせず、動物病院には予防以外は無縁だった ためペット保険に加入をしておらず、100万円の治療費を自己負担した経験があります。
ペット保険に加入をしていれば数万円で済んだため、とても後悔しております。
このような経験から
「若いペットにはA商品が合う」「この種類のペットにはB商品が合う」ということは一概には言えません 。なぜならば、
筆者の経験のように病気は突然、発覚することもあります 。
また、アニコム損保が毎年発行をしている「
家庭どうぶつ白書2021 」には品種ごとに罹りやすい病気のデータがありますが、
罹る病気は違うけれども罹るリスクは誰にも分からない ためです。
よって、
筆者の結論としては、飼い主側のスタンスで加入をするペット保険を選ぶこと をお勧めします。
◆ 飼い主のスタンス
しかし、Bタイプを選んだ方もペットが年齢を重ねると病気のリスクは高くなります。また、
ペット保険は商品によって加入ができる年齢の制限が異なります。 「保険料を安く抑えたい」という気持ちも理解できますが、なるべく早めにAタイプへシフトをすることをお勧めいたします。ペット保険の加入時の年齢制限については以下の記事を参考にしてください。
参考:Pet de SAISON 「
高齢のペット飼い主必見!ペット保険16社|加入時の年齢制限 」
また、
動物病院で健康診断を行い、早めに変化を見つけ出しておくことが重要 です。筆者も1年に1回は血液検査を行い、愛犬の状態をチェックしております。最近では自宅で腸内フローラ検査をすることもできますので、なかなか動物病院に行けない方も是非、検討してみてください。
参考:
イヌの腸内フローラ検査サービス「Wankinso(ワンキンソー)」開始のお知らせ
・まとめ
日本におけるペット保険の加入率は筆者の推計によると
14.9%と諸外国と比較をするとまだまだ低い状況 です。ペット先進国であるヨーロッパではペット保険の加入率は非常に高くスウェーデンでは加入率が50%であると言われております。
参考:Pet de SAISON 「
これを読めば分かる!ペット保険の加入率は推計14.9%! 」
これはペットに対する考え方が大きな要因であると考えられますが、近年、日本もペットを家族の一員であると考える飼い主も増えてきました。
1日数十円~数百円で家族の一員で愛するペットの安心が得られるのであれば、とても安い金額であると考えます。
保険とはもともと多数者が一定の資金(=保険料)を出し合い、実際に事故があった時その者に一定金額(=保険金)を与える制度です。もっと多くの方がペット保険に加入をすることで、保険金はもっとリーズナブルな金額に近づいてくると考えます。
この記事をきっかけに個人のニーズにあったペット保険選びができることを願っております。
この記事の著者:ペット事業編集部
クレディセゾンに2002年入社。
自宅ではミニチュアシュナウザーと生活。
2014年から動物病院に向けた決済サービスの営業を担当。
得意分野:ペット保険、動物病院