知らなかった!動物病院で薬だけもらうことができる2つの条件
ペットを動物病院に連れて行かず動物病院で薬だけをもらうことを望む方は多いと思います。
実際、以下の条件が整っていれば、動物病院で薬だけをもらうことは可能 です。
・症状に対して獣医師自らが診察をしていること
・薬だけをもらうタイミングで獣医師が「可能」であると判断をすること
ただし、診察の履歴があっても状況に応じてペットを診療することが必要な場合があるため、事前に電話等で主治医に確認をする方が良いと考えます。
今回は、動物病院への営業を7年間担当している筆者が動物病院で薬だけをもらえる条件や、どうしても時間がない場合の4つの方法などを解説いたします。
ペットに使う医薬品は2つのタイプ
ペットに使う医薬品は下記の2つに限られています。
①要指示医薬品
②要指示医薬品ではない医薬品
① 要指示医薬品とは、獣医師法で定められる要診察医薬品で、投与・処方に当たっては獣医師自らが診察することが義務づけられているものです。
② 要指示医薬品ではない医薬品は、獣医師の診察が不要の医薬品で、ペットショップやホームセンター、インターネットなどでも販売されています。
このようにペットに使う医薬品は大きく分けるとこの2つのタイプに分かれますが、動物病院で取り扱う医薬品は「① 要指示医薬品」が中心です。
なぜならば、「① 要指示医薬品」は効果が高いからです。しかし効果が高い反面、副作用などのリスクもあります。
このような理由から獣医師が投与・処方をするために診察を行い、飼い主に対して、投与・処方に関して指導を行うことが必要な医薬品なのです。
動物病院で診察を受けたことがない症状は薬だけもらうことはできない
動物病院で投与・処方をする医薬品は要指示医薬品が中心です。よって、獣医師による診察を受けたことがない症状については、動物病院に行き、薬だけをもらうことはできません。
なぜならば、要指示医薬品の投与・処方は診察をすることが下記の獣医師法によって義務付けられており、獣医師が診察をせずに薬を投与・処方した場合、獣医師は罰せられてしまいます。
以下は、獣医師へさまざまなサポートを行っている日本獣医師会より正式に発信されているものです。
実際、2018年には要指示医薬品であるフィラリア症の予防薬を診察せずに販売し、獣医師法違反等により書類送検されています。
予防薬であったとしても、要指示医薬品である限り、診察をせずにもらうことはできないのです。
条件をクリアしていれば、動物病院で薬だけをもらうことは可能
動物病院にペットを連れていかず、薬だけをもらうことは条件をクリアできていれば可能です。
その条件とは、症状に関する獣医師の診察を受けており、獣医師より可能であると判断をもらえた場合です。
このケースは予防薬や継続治療のため処方された薬の場合に多いと言われております。
なぜならば、フィラリアなどの予防薬はシーズンのはじめに血液検査や体重測定などを行い、結果データなどに基づいて投与・処方を行います。よって、ペットが大幅に変化をしなければ、獣医師が適量を判断しやすいためです。
このような継続医薬品の場合には動物病院で薬だけをもらうことは可能ですが、状況に応じて獣医師の判断により診察が必要となる場合がありますので、事前に電話等で確認することをお勧めします。
また、動物病院で薬だけを投与・処方してもらった場合、ペット保険は補償の対象外となるケースが多いので、事前にペット保険会社へ確認することもお勧めします。
どうしても時間がない時に薬だけをもらう場合の4つの方法
どうしてもペットを動物病院に連れていくことができないけれども、薬だけをもらいたい場合は、以下の4つの方法の中から選ぶことをお勧めします。
<4つの方法>
① 獣医師に自宅へ来てもらい薬を投与・処方してもらう
② ペットシッターに動物病院へ連れて行ってもらう
③(受診歴がある場合)オンラインで診療をお願いし、薬を郵送してもらう
④ 市販の薬をペットショップやホームセンター、インターネットで購入する
① 獣医師に自宅へ来てもらう(往診をしてもらう)
どうしても動物病院に連れていくことができないけれども、薬だけ欲しい場合があると思います。
特にペットが高齢になり連れていくことが困難な場合や動物病院に連れていく時間がない時などです。
その場合、一部の動物病院では往診を行っておりますので、主治医に相談をしてみてください。
また、最近では往診専用の動物病院もあります。
往診の場合でもしっかりと獣医師が診察をしますので要指示医薬品を投与・処方してもらうことは可能です。
状況に応じて往診専用の動物病院を使うことも考えてみてください。
②ペットシッターに動物病院へ連れて行ってもらう
自分で動物病院に連れていくのではなく、ペットシッターが代わり動物病院へ連れていき、薬をもらってきてもらうことも可能です。
また、ペットシッターは動物看護師であるケースも多く、安心して任せることができます。
いざという時のために、予め時間がないことが想定できる人は信頼できるペットシッターを探しておくことをお勧めします。
③(対面での受診歴がある場合)オンラインの診療をお願いして、薬を郵送してもらう
コロナ禍により、人間の医療ではオンライン診療という言葉を目にするようになってきました。
実は動物病院でもオンライン診療を行うことが可能です。一部の動物病院ではオンラインによる診療を始めております。
オンライン診療を行うには対面で診察を受けていることが条件となりますが、オンラインで診察を受けた後、動物病院から薬を送ってもらうことが可能です。
オンライン診療は専用のシステムを使わずにZoomなど一般的に使われているビデオ通話システムで行うことも可能です。是非、主治医に相談をしてみてください。
また、クレディセゾンが運営する
「セゾンのペットオンライン診療」を使うと、オンライン診療の
予約から診療、お支払いまで1つのサービスで完結します。
診療代金のお支払いもクレジットカード払いができるので、後日現金を払いに行ったり、銀行振込をしたりすることもなく簡単です。
かかりつけの動物病院がサービスに登録しており、対面で診療を受けていれば、こちらのサービスを使ってお薬を処方してもらうことも可能です。
もし対面で診療を受けていない場合は、薬は処方してもらえませんが「相談」であれば可能です。
例えば、
「動物病院に行くべきかどうか迷っている」
「ペットが動物病院を嫌がってしまう」
「平日は仕事が忙しくてなかなか病院に連れていけない」
④市販の薬をペットショップやホームセンター、インターネットで購入する
市販の薬を購入し、一時的に対応することも考えられます。
ペットヘルスケア通販サイト「
ペットゴー(petgo)(
https://www.petgo.jp/)」で販売されている動物用医薬品は、
皮膚薬や目薬、胃腸・下痢止めなどを中心に犬用で70種類、猫用は59種類が購入可能です。
現在、
動物用に使われている医薬品は公益社団法人日本獣医学会によると
約3,000種類あると言われております。よって、市販薬の種類はごく一部にすぎず、
一時的な対応に過ぎないということを認識しておくことが必要です。
症状が緩和をしない場合は、市販薬だけに頼らず時間がある時に動物病院へ行き、獣医師から最適な要指示医薬品を投与・処方してもらうことをお勧めします。
◆ペットゴー(petgo)で販売されている薬の種類
まとめ
今回は「動物病院で薬だけをもらうこと」について述べさせていただきました。
多くの飼い主はペットを連れて行かずに薬をもらうことはできないと思い込んでいる人が多いと思います。しかし、条件次第では動物病院で薬だけをもらうことは可能です。状況に応じて最適な手段を取ることがペットのストレスを減らし、信頼関係を築くことができると考えます。
一日でも長くペットとの豊かな暮らしを送るために、是非、この記事を参考にしてみてください。
この記事の著者:ペット事業編集部
クレディセゾンに2002年入社。
自宅ではミニチュアシュナウザーと生活し、毎日、嚙まれてトレーニングに奮闘中。
2014年より動物病院に向けた決済サービスの営業を担当。