そこで今回、往診専門の動物病院の「chicoどうぶつ診療所」のオンライン診療で、特に現在病気やケガでなくても受けることができる「体質診断」を体験してみました。
その結果、20分という短い診察時間で、筆者も知らなかった愛犬の体質や潜在的な病気のリスクなどを詳しく知ることができ、また、オンライン診療の手軽さと利便性も実感することができました。
自宅で手軽にできるペットのオンライン診療は、ぜひ積極的に利用したいと思いました。オンライン診療に興味のある方や、手軽にできるペットの健康診断を考えている方は、ぜひこの体験談を参考にしてみてください。
◆良かった点
・希望の時間に自宅で診療できる
・スマートフォンで手軽に診療できる
・短時間でもペットについて多くの情報を得ることができた
・ペットがリラックスした状態(普段の状態)で診てもらえた
◆注意する点
・事前に病院側にペットの情報を伝えておく
・動き回るペットを撮影するためPCよりもスマートフォンがおすすめ
・メモ帳や筆記用具を必ず用意しておく
また、自宅なのでペットの普段の様子を医師に診てもらえることも、特に病院嫌いのペットを持つ方には大きなメリットのひとつと言えます。
それでは早速、今回のオンライン診療の体験談をお伝えしてまいります。
とは言え、年齢も10歳ということでシニア期を迎えるにあたって、いずれ体調や行動にもいろいろと変化が出てくることが予想され、今後は食事をはじめ普段の接し方も注意が必要なのではないかと考え始めておりました。
そこで今回、chicoどうぶつ診療所さんのオンライン診療を受けてみたのですが、ナナのカウンセリングをしてもらいながら、シニア犬との暮らし方についていろいろと学ぶことができました。
今回、筆者が申し込んだ体質診断では、予定日の3日ほど前に担当の先生よりメールをいただきました。メールには、丁寧なごあいさつとともに、下記の記載がありました。
・ZoomミーティングのURLとID・パスワード
・添付資料2点
・ペットの生年月日を教えてほしい旨
特に、ZoomのURLとログイン情報がないと、当日診療が受けられませんので、このメールはピン留めなどして、すぐに確認できるようにしておきましょう。
なお、筆者はこのメールには、ナナの生年月日、年齢、犬種、性別といった基本情報と、今回相談したい内容(今後の食生活や心構え、過去の既往歴)について返信しました。
これを踏まえて、下記について事前に準備しておくと、スムーズに受診することができます。
◆事前にしておくべきこと
・ペットの生年月日、種類、性別、名前を病院に伝えておく
・ペットはできるだけリラックスした状態にしておく
・普段与えているフードの種類や、できればメーカーも把握しておく
・ネット環境の確認
・Zoomアプリをダウンロードし、ある程度の使用方法も把握しておく
◆準備しておくべきもの
・スマートフォンもしくはタブレット(カメラ付きのパソコンでも可)
・メモ帳、筆記用具
・事前に病院から送付される資料のプリントアウト
ネット環境や接続機器を除いて、すべてを必須と考える必要はありませんが、事前に上記の準備をしてオンライン診療に臨みましょう。
そこで、事前に入室してログイン情報を記憶させておくことで、開始時間にスムーズにログインして診療をスタートすることができました。
また、Zoomを初めて利用するという方は、インターネットなどを見ながら操作方法を覚えておきましょう。基本的には下記の操作方法を覚えておけば良いでしょう。
・ログイン方法
・マイク、カメラの接続方法
・インカメラ、アウトカメラの切り替え
・退出の仕方
診療時間になり、筆者とほぼ同時に林先生もログインし、簡単な挨拶から診療が開始しました。早速、林先生にナナを紹介しようとカメラを向けると、それまで筆者の横で寝そべっていたナナは、聞き覚えのない声に驚いたのか、急に起き上がって部屋を歩き回り始めました。
そのため、ソファに座ってスタンバイしていた筆者も、開始早々に歩き回るナナをスマートフォンのカメラで追いかけながら先生と話す形になってしまいました。
◆急に歩き回りだすナナ
「ナナちゃんは内向的な傾向で…」
「早食い気味なのでゆっくり食べる工夫をしてください」
「消化器系に注意ですね」
など、もちろん犬種の特性もあるのかもしれませんが、かなりパーソナルな部分も、よどみなく説明していただきました。
事前に林先生にはメールで、ナナの犬種や生年月日、性別はお伝えしていたのですが、オンライン診療開始早々に、ナナの体質や性格についての詳しい解説が始まり、その一つひとつが、実際のナナの性格や行動に当てはまっており、まるでよく当たる占いを聞いているかのようでした。
◆Zoomのアウトカメラでナナを撮影
体質診断では、東洋医学の見地から体質を診断し、愛犬におすすめの食事や環境を提案してもらえます。事前に送られてくるメールに添付された資料を見ながら診断が進んでいく形です。
◆資料を見ながら先生の解説を聞く
ただ、細かい文字も多く、ちょっとした注釈を書き込む場合もあるので、診断前に資料のプリントアウトもして手元に置いておくのがおすすめです。
◆実際のスマートフォンの画面
筆者も、オンライン診療の中で、普段与えているドッグフードのメーカーを聞かれましたので、手元に普段のフードやおやつを置いておくか、メーカー、商品名を控えておくようするとスムーズです。
もし、事前のメールをしていなかった場合、基本情報を伝えるところから始まり、恐らくはそこから先生が考察する時間も少なからずかかってしまうかもしれませんので、必ず事前に基本情報を伝えておくことが大事です。
また、細かい点まで言うと、ネット環境の確認、Zoomの動作確認、接続機器の充電の確認など、診療中のトラブルを未然に防ぐための、できる限りの確認や対策はしておくようことをおすすめします。
特に今回、筆者が申し込んだコースは20分という短い時間ということもあり、その時間いっぱいをナナに使ってあげるために、事前準備はしっかりと行いました。
ただ、東洋医学的な考え方での説明になり、やや専門的な用語も出てくるため、東洋医学にまったくなじみのない方にとっては難しく感じる面もあり、説明を聞いていてペットの健康状態と結びつけることに戸惑うこともあるかもしれません。そのため、話を聞きながらメモをしっかり取ることが大事になります。
「事前準備はしっかり行った」と言いましたが、筆者は、筆記用具は用意していたのですが、メモ用紙を用意していなかったので、写真のように、プリントアウトした資料の余白にメモをしていったのですが、結果、余白がびっしりと脈絡のないメモで埋められてしまいました。
林先生は、代謝療法の専門家であり、サプリメント会社に勤務されていた経験もあるため、ペットの食事に広い知見を持っており、食材レベルから与え方や分量などを詳しく教えてくれます。
筆者も、オンライン診療の中で、普段与えているドッグフードのメーカーを聞かれましたので、手元に普段のフードやおやつを置いておくか、メーカー、商品名を控えておくようするとスムーズです。
◆こんな方におすすめ
・病院が遠かったり、アクセス困難な場所に住んでいる
・病院に行く時間がなかなか取れない
・ペットが病院を嫌がる
・手軽にペットの健康診断がしたい
ひとつでも当てはまる方は、ぜひペットのオンライン診療を一度試してみてください。
林先生の説明も丁寧で聞きやすく、東洋医学の知見に裏付けられた論理的な説明で、とても納得のいくものでした。
今回は20分ということで食事中心の内容でしたが、生活習慣や行動についてのより詳しいアドバイスが欲しい方、また、東洋医学に馴染みのない方も、より理解を深めるために、できれば45分以上のコースを選ぶのが良いでしょう。
急病や事故、ケガなどであれば、病院で実際に診てもらうことが絶対に必要ですが、ちょっと具合が悪そうであったり、慢性的な疾患に対しての相談などであれば、オンライン診療でも十分な場合もあります。
飼い主にとっての選択肢が増えたという点では、今後はオンライン診療もますます普及していくことが予想されますので、オンライン診療は病院での診療と使い分けながら、積極的に利用していくことをおすすめします。
今回体験したオンライン診療「体質診断」を行っているのはこちら
chicoどうぶつ診療所/獣医師 林 美彩 先生
この記事の筆者:Pet de SAISON編集部
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