ペット保険の常識!ペットの一般的な去勢・避妊は補償対象外

ペット保険
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更新日:2022年03月18日
犬や猫の「去勢」や「避妊」の不妊手術はペット保険の補償対象になるのでしょうか。

アニコム損保など主要な15社が提供をするペット保険を調べたところ、健康体に予防を目的とした「去勢」「避妊」の不妊手術は補償の対象外でした。
ただし、他の傷病や乳腺腫瘍など、その治療の一環として行う処置については補償の対象となる場合があるようです。

「去勢」や「避妊」は一般的に予期せぬ妊娠を防ぐ手法として知られていますが、「去勢」や「避妊」をすることは病気の予防にもなります。

今回は、クレディセゾンでペット事業を担当している筆者のペットが避妊手術を行った経験を踏まえながら、去勢、避妊におけるペット保険の適用状況からメリット・デメリットについて解説をさせていただきます。

1.主要15社で不妊手術はペット保険の対象外

今回、ペット保険の主要な15社を調査いたしましたが、健康体に対する去勢や避妊手術は全てのペット保険で補償の対象外でした。但し、例外として他の傷病や乳腺腫瘍などの治療として行う処置に関しては補償の対象となる場合があるようです。

アニコム損保やアイペットについては、一部の例外についてホームページに表記がありましたが、これからペット保険を検討する人、すでに加入をしている人は、ペット保険会社に確認をすることをオススメします。

2.不妊手術の相場は犬のオスなら17,675円

「去勢」や「避妊」の手術代について調べてみました。下記は公益社団法人日本獣医師会が平成26年に全国1,365名の獣医師及び3,096名の一般飼育者から得られた回答を元に集計した家庭飼育動物(犬・猫)の診療料金実態調査の結果です。

<犬>
 オス():去勢 17,675
  
10,000円〜25,000円未満」が約75
 メス():卵巣切除 26,780 
       卵巣子宮切除
27,413
  
卵巣子宮切除で「20,000円〜40,000円未満」が約71.1

<猫>
 オス():去勢 12,652
  
5,000円〜20,000円未満」が約75
 メス():卵巣切除 19,833
       卵巣子宮切除
20,986
  
卵巣子宮切除で「10,000円〜30,000円未満」が約68.2
あくまでも手術代のみの金額です。筆者に関しては、初診料や術前検査代、傷口が回復するまでの間に着せるエリザベスウエアのレンタル代金、術後の抜糸など手術代以外で2万円程度かかりました。動物病院によっては手術後に入院をすることによる入院代が発生するケースもありますので、発生する費用については事前に獣医師と相談をしましょう。

3.不妊手術とは

<オス>
 オスの去勢手術は精巣と精巣上体が納まっている睾丸を摘出する手術です。一般的に手術は全身麻酔をかけて、精巣付近を切開して行います。

<メス>
 
メスの場合、犬・猫の避妊手術は「卵巣切除」と「卵巣子宮切除」の2種類があります。手術はオスと同じく全身麻酔をかけ、開腹を行います。

 ◆ 卵巣切除(卵巣切除は卵巣のみを摘出)
 ・手術の傷が小さい(卵巣子宮切除の約半分)
 ・手術時間が短い(麻酔時間が短い)

 ◆
卵巣子宮切除(卵巣子宮切除摘は卵巣と子宮を摘出)
 ・避妊のみならず、子宮にまつわる病気のリスクも削減

どちらの手術を行うかは、動物病院で獣医師と相談をした上で決めることをオススメします。一般的に卵巣のみの摘出でも子宮に関するトラブルはほぼないと言われており、卵巣切除と卵巣子宮切除は避妊や避妊をすることによる病気予防という観点において差異はないと考えられています。

<不妊手術の時期>
 犬や猫の種類や性別にもよりますが、一般的に発情期を迎えるよりも前に不妊手術を行うことが良いと言われております。
 ・犬:生後6ヶ月〜1才頃
 ・猫:生後6ヶ月〜10ヶ月頃

一般的に不妊手術は全身麻酔をかけるため術前検査を行います。術前検査の結果によっては手術ができないこともあります。獣医師とよく相談をし、ペットの体調や成長に合わせて手術を行いましょう。

また、飼い主の時間的な余裕があるときに行うことが大切ですなぜならば、手術は日帰りで終わることが多いですが、術前検査の通院や抜糸などによる術後の通院も必須です。事前にしっかりとした計画を立てることをオススメします。

実際、筆者もメスのミニチュアシュナウザーを飼っておりますが、生後78か月の間に避妊手術を行いました。筆者は一部の動物病院で行っている腹腔鏡手術で卵巣切除を行いました。

術前検査は朝、動物病院にペットを預け、夕方お迎えに行きました。手術の日も同様です。仕事をしている人は半休や時間休を取ることも必要となりますので、しっかりと早い時期から計画をしておくことをおススメします

そして、筆者が一番失敗したと思っていることは、ペットが洋服に全く慣れていない場合、術後にエリザベスウエアを着ると、全く元気がなくなります。実際、筆者のペットも術後、10日間、エリザベスウエアを着ていたため、全く元気がありませんでした。

手術のスケジュール以外に、ペットに洋服を着させることに慣れさせておくこともおススメいたします。

4.助成金が出る自治体も一部にある!事前に確認を

不妊手術は望まない繁殖や飼い主がいないペットを増やさないために行われるという意味があります。
よって、不妊手術に対して助成金が出る場合があります。

助成金の申請先
 都道府県、市区町村、全国の獣医師会、など
 助成金は2,000円程度から全額を負担してくれる自治体もあるようです。

飼い主がいない動物に対して助成金を配布するケースもあるため、助成金の受付数が限定されている場合もあります。逆に飼い主がいるペットについては助成金が出ない場合もありますので、動物病院や事前にインターネットなどで調べることをオススメします。

去勢や避妊手術はペット保険の対象外となりますので、使える制度はしっかりと有効活用していきましょう


5.不妊手術のメリット・デメリット

ペットを飼い始めると、去勢や避妊手術をすることについて悩む飼い主はとても多いと思います。子犬に全身麻酔をし手術をするため、悩んだ挙句、結果的に手術をせず大人になってから後悔をした飼い主も多くいると思います。

ここでは去勢・避妊手術をしっかりと理解をし、多くの飼い主がしっかりとした判断ができるようにメリット・デメリットについて述べていきたいと思います。
一般的に去勢や避妊は、予期せぬ妊娠を防ぐために行う処置であると考えられがちですが、実は「病気の予防」や「発情を抑えることによるストレス防止」など、ペットにとってプラスになることがあります。

また万が一、精巣や卵巣に関わる病気になってしまった場合の一般的な治療費を調べてみました。

◆予防ができる主な病気の治療費
<オス>
精巣腫瘍
 治療費:中央値 27,107
 2万円〜4万円未満の治療費が約53.8%と多く、10万円以上の治療費がかかるケースも約3%あるようです。

<メス>
乳腺腫瘍
 治療費(部分切除):中央値 25,858
 2万円〜4万円未満の治療費が約50.4%と多いようです。10万円以上かかるケースも約3%あるようです。
 治療費(全切除):中央値 43,062
 3万円〜7.5万円未満の治療費が約56.6%と多く見られます。10万円以上かかるケースも約6.6%あり、他の治療費と比べると高額になるケースが高いようです。

子宮蓄膿症
 治療費:中央値 41,131
 3万円〜7.5万円未満の治療費が約65.1%と多く見られます。10万円以上かかるケースも約5.7%あり、高額になるケースに注意が必要です。

もし、去勢や避妊の選択をしなかった場合、高齢時には上記のような治療費がかかることもあります。事前にペット保険に加入をしていれば、少ない自己負担で治療をすることができますが、去勢や避妊はデメリットも少ないため、後で後悔をしないように、獣医師や家族と必ず相談をし、正しい選択をしましょう。

6.犬と猫が不妊手術をしない場合、どれくらい繁殖するのか?

環境省の資料によると猫は1回の出産で48頭を出産し、妊娠期間が2ヶ月程度であるため年24回も出産をすることができます。犬は1回の出産で510頭を出産し、妊娠期間は2ヶ月程度ですが年12回の出産をします。妊娠期間は猫と同様ですが、繁殖率は犬の方が低いです。  

猫の繁殖力は強く、環境省は計算上、1匹のメス猫が3年後には2,000頭以上に増えることが可能であると試算をしています。

◆1匹のメス猫が
 1年後には20頭以上 ➡︎ 2年後には80頭以上 ➡︎ 3年後には2,000頭以上
参考:環境省
ふやさないのも愛」「もっと飼いたい?
「殺処分がゼロ」という話題を耳にすることも増えてきましたが、その前にしっかりと去勢や避妊について考えることが大切です。

7.不妊手術の死亡率

犬や猫の不妊手術における死亡率について、国内の公的機関を確認しましたが、結論としては「調査を行なっていない」ということが実態のようです。しかし、手術については全身麻酔を行うことから、リスクは決して「ゼロ」であるとは言い切れません。

2007年にイギリスで行われた調査では、猫の去勢による手術の死亡率は0.11%であるとの報告がされています。不妊手術ではありますが、全身麻酔が必要な手術であることを認識し、対応をすることが必要であると考えます。

8.まとめ

今回、去勢や避妊の手術がペット保険の対象外であることや、ペットの去勢や避妊について様々な視点から述べさせていただきました。 
筆者としては去勢や避妊手術の治療費はペット保険の対象外ですが、長期的に病気を予防することや望まれないペットを増やさないという広い視野で考えると、去勢や避妊手術はするべきであると考えます。

また、各自治体などの助成金制度をうまく活用し、この記事によって少しでも去勢や避妊に対する正しい理解が深まり、ペットとの共生社会が築かれることを願います。


この記事の著者:ペット事業編集部

クレディセゾンに2002年入社。
自宅ではミニチュアシュナウザーと生活し、毎日、嚙まれてトレーニングに奮闘中。
2014年より動物病院に向けた決済サービスの営業を担当。