「ブロッコリー」は犬が食べてもOK!メリットや与え方の注意点など

犬
更新日:2024年03月08日
お料理に彩りを加える野菜としてよく使用される「ブロッコリー」は、年間を通して手に入る食材ということもあり、みなさんのご家庭の食卓に出る機会も多いと思います。そんなブロッコリーを、愛犬に食べさせて良いものか不安に思う飼い主の方もいるかもしれません。 

 ブロッコリーは犬が食べても大丈夫な野菜のひとつです。実際に市販されているドッグフードにブロッコリーを使用している商品も多く、ビタミンCをはじめとした栄養成分を多分に含む、犬にとっても栄養価が高い優秀な食材です。 

ブロッコリーは、基本的に葉や茎も含んだどの部位も犬に与えて問題はありませんが、消化器官への負担や栄養の偏りを考慮して、与え方や分量に注意する必要があります。

本日は、クレディセゾン・ペット事業編集部の筆者の愛犬に実際にブロッコリーを食べてもらい、その与え方や注意点などをまとめましたので、ぜひ参考にしてみてください。

小型犬にブロッコリーを与える際の注意点

今回は、筆者の愛犬のミニチュアダックスフント「ナナ」に、初めてりんごを与えてみました。ナナは今年11歳になるシニア犬です。

◆筆者の愛犬ナナ
今回、ナナにとってブロッコリーは初挑戦となります。 

ブロッコリーは、ビタミンやミネラル、食物繊維などを豊富に含んだ栄養価の高い食材ですが、初めて食す場合はアレルギーなどの心配もあるので、様子を見ながら慎重に与える必要があります。

下記にブロッコリーを与える際の注意点をまとめましたので、特に小型犬やシニア犬にブロッコリーを与える際には、以下の点に十分に注意して与えるようにしてください。
◆小型犬にブロッコリーを与える際の注意点
・茹でてから与える
・皮は厚めに剥く
・茹で汁にシュウ酸が含まれるため注意
・食べやすいように細かくカットする
・味付けはしない
・食べても問題ない分量を把握し、過剰に与えない
・初めて与える場合は、少量から様子を見る
・食後の様子や便の状態も必ずチェックする

茹でてから与えるようにする

生のブロッコリーを与えることに問題はありませんが、茎や皮は非常に固く消化しにくいため、茹でてから柔らかくしてから与えるようにしましょう。 

また、ただ加熱すれば良いわけではなく、必ず「茹でる」必要があります。なぜなら、生のブロッコリーには尿路結石の原因となるシュウ酸が含まれており、茹でることでシュウ酸が溶け出して排出されるからです。 

つまり、茹でることは柔らかくして食べやすくするだけではなく、毒素を抜く役割もあるのです。そのため、溶け出したシュウ酸が含まれている茹で汁も与えずに必ず捨てるようにしてください。

これらの点から、生のブロッコリーを食べても直ちに問題はないとは言え、しっかり茹でてリスクを取り除いた上で与えるべきです。


腎機能に不安のある場合は注意が必要

前述したように、生のブロッコリーを与えても少量であれば基本的に問題はありませんが、生のブロッコリーにはシュウ酸が含まれていることに注意しなければいけません。

シュウ酸は体内のカルシウムのバランスを整える作用もありますが、結石を作る原因にもなる成分です。
そのため過去に尿路結石を患ったことがあったり、腎機能に不安がある場合は、特にしっかり茹でてから与える必要がありますし、そもそもブロッコリーを積極的に与えるのは避けたほうが良いでしょう。

もし愛犬にブロッコリーを与えることに不安がある場合は、かかりつけの動物病院に相談してみてください。このような場合、オンライン診療で自宅にいながら相談するのが早くて簡単なのでおすすめです。

ペットのオンライン診療が可能な動物病院は下記のサイトより簡単に探せるので、万一の時のためにも、あらかじめ相談可能な病院を把握しておきましょう

ブロッコリースプラウトも与えて大丈夫

ブロッコリースプラウトとは、ブロッコリーの種を発芽させたものです。ブロッコリースプラウトも犬に与えて問題のない食材です。 

ブロッコリーよりも低カロリーで食物繊維量も少なく、βカロテンやスルフォラファンといった栄養成分がブロッコリーよりも多量に含まれています。また、かいわれ大根のような形状なので、その点も含めブロッコリーよりも与えやすい食材と言えるでしょう。

ただし、ブロッコリースプラウトについても同様に細かくカットして、大量に与えないように注意するべきです。

ブロッコリーの与え方

それでは、実際に与えたブロッコリーについて、与え方を詳しく説明いたします。

今回与えたブロッコリーについて

今回ナナに与えたブロッコリーは、近所のスーパーで購入した香川県産のブロッコリーです。

◆購入した香川県産のブロッコリー
今回は、購入したブロッコリーの小房1つ分を与えました。茹で上がった状態で25gです。小型犬へ与える適量については後述します。 

◆与えたブロッコリーの重さは25g(茹で上がり)

茹でた上で細かくカットして食べやすくする

5分ほどしっかり茹でた後に皮を剥ぎ、以下の写真のようにカットしました。特に茎の部分は茹でてもある程度固さがあるため、意識的に細かく刻んであげるのが良いでしょう。

小型犬は消化器官が未発達であったり、シニア犬は消化機能が弱っていたりするので、「茹でる」「細かく刻む」といった下準備が非常に重要になります。

◆茹でたブロッコリーを細かくカットする

小型犬に与える分量は?

ペットフード公正取引協議会によると、間食としておやつやスナックなどを与える際は、1日のカロリー必要量(RER)の20%以内の分量におさえるのが良いとされています。
ナナは現在10歳のシニア犬で体重が約4.5kgです。1日に必要なカロリー量は340350kcal程度なので、間食で与えるカロリーは70kcal以内に収めるのが好ましいということになります。

茹でたブロッコリーのカロリーは100gあたり30kcalとされていますので、今回ナナに与えた分量に換算すると7.5kcal程度となります。
分量的には問題ないカロリー量ですが、数値はあくまで上限値であり、1日に複数回おやつを与える機会もあるため、少なめに与えるようにしました。 

何より、ナナにとってブロッコリーが初めてということもあるので、アレルギーなど万一のことも考えられます。初めての食材を与える際は、一般的な数値に示された適量に関係なく、まずはごく少量にとどめておくべきです。

なお、愛犬の1日のカロリー必要量は、多くのウェブサイトで計算式や自動計算フォームが公開されているので、それらを利用してあらかじめ愛犬の必要量の目安を把握しておくようにしましょう。

 

実食のようす

茹でた後、細かくカットしたブロッコリーをフードボールに入れて与えました。 

犬は食事において、基本的に噛まずに飲み込むのが普通ですが、ナナは食材の形状に関わらずその傾向が強いようなので、ドライフードも小粒のものを与え、人間も食べる食材を与える際は、必ず細かくカットするかペースト状にするなどして与えるようにしています。 

今回のブロッコリーも、先に示した写真のようにだいぶ細かくカットしておいたので、食べづらさを感じる様子もなくスムーズに完食してくれました。

◆食べづらさや匂いを気にすることもない様子
ブロッコリーは、生の時は無臭に近いのですが、茹でると匂いが強くなることがあります。もし愛犬が匂いを嫌がるようであれば、無理に与えるのは避けましょう。 

特に、購入後ある程度時間が経ったブロッコリーの場合、匂いが強まる傾向があるので、できるだけ新鮮なうちに与えるようにしてください。 

ナナについては特に匂いを気にする様子もなく、目の前に差し出すとすぐに口をつけてくれました。

食後数時間は注意して様子を観察しましたが、特に異常が見られることもありませんでした。初めての食材を与える際は食事中の様子も見守ってあげて、食後も特に注意して様子を観察し、異変があった際にすぐに対応できるようにしておくことが大切です。

翌日の便は、やや水分量が多かった

ブロッコリーを与えた翌日の便を観察してみたところ、普段よりも若干の水分量の多さが見られました。下痢ではありませんが、やや軟便気味といった印象です。 

ブロッコリーには食物繊維も多く含まれますが、特に不溶性食物繊維が多量に含まれます。不溶性食物繊維は、腸内の水分を吸収して便通の改善へ導いてくれますが、多く撮りすぎると下痢や腹痛を引き起こす可能性もあります。 

今回、筆者もナナと一緒にブロッコリーを食べましたが、野菜だからといってほぼ一株を食べてしまったところ、深夜に腹痛に悩まされることになってしまいました。あきらかに急激な食物繊維の過剰摂取の影響と言えるでしょう。

犬にとっても同様で、腸内環境を改善してくれる食物繊維も、摂り過ぎると逆効果になってしまうので注意が必要です。

犬にブロッコリーを与えるメリットはミネラルをバランスよく摂れること

ブロッコリーは、健康に役立つ様々な栄養素を豊富に含んだ食材です。 

特にミネラルについては多くの種類が含まれており、カリウム、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、リン、鉄分といったミネラル成分がバランスよく含まれています。そのため、神経や筋肉の正常な働きを維持する効果が期待できます。 

また、ビタミンCにおいてはレモンの2倍以上の含有量があり、スルフォラファンも豊富に含まれるため、抗酸化作用などアンチエイジングにも有効です。 

しかし、いずれの栄養素も過剰摂取すると様々な悪影響を及ぼします。優秀な栄養素であるミネラルも、摂り過ぎれば腎機能の低下や肝機能障害を引き起こす可能性があります。 

ビタミンCについては、そもそも犬は体内でビタミンCを生成することができるため、体外から摂取することで過剰接種となりやすい側面があります。 

こういった点から、栄養があるからといってブロッコリーを積極的に与えることは避けるべきです。 

その他、ブロッコリーに含まれる栄養成分は下記の通りです。


◆ブロッコリーに含まれる栄養成分一覧(ゆで・可食部/100gあたり)

犬にブロッコリーを与えてもOK!ただし与え方と分量には注意

今回は、10歳のミニチュアダックスフントのナナに初めてブロッコリーを与えました。 

ブロッコリーは犬にとってもメリットのある栄養が豊富で優秀な食材です。ブロッコリーを愛犬に与える際は、特に以下の2点に注意して与えるようにしましょう。 

    生では与えず必ずしっかり茹でる
    食物繊維が多いため少量にとどめておく

生のままでは消化しにくい上、シュウ酸など犬にとっての有毒成分も含まれるため、茹でてから与えるようにします。電子レンジなどの加熱方法ではシュウ酸が排出されないので、必ず茹でることが重要です。

また、ブロッコリーを食べすぎると、食物繊維に限らず特定の栄養素の過剰摂取により、思わぬ体調不良を引き起こす可能性が高くなりますので、少量にとどめて積極的には与えないようにすべきです。

なお、初めて食べる食材を愛犬に与える際は、事前にかかりつけの動物病院に相談しておくと安心です。

特に食事などのちょっとした相談などは、わざわざ病院まで行かずとも、オンライン診療で自宅から気軽に相談可能なのでおすすめです。そのために、事前にオンライン診療が可能な動物病院を把握しておきましょう。

クレディセゾンが運営するオンラインサービス「セゾンのペットオンライン診療」なら、オンライン診療を実施している病院を簡単に探すことができるので、ぜひ活用してみてください。