「みかん」は犬が食べてもOK!実際に与えた様子を詳しく紹介
冬の時期には、旬の果物であるみかんを食卓に常備しているご家庭も多いと思います。
甘い果汁がたっぷりのみかんを、愛犬にも食べさせたいと思っている方も少なくないのではないでしょうか。
みかんは犬が食べても問題ありません。みかんの果肉には犬にとって有害な成分は含まれていませんので、安心して与えることができます。ビタミン豊富でアンチエイジングや免疫力の向上も期待できる果物です。
しかし、糖分も多く、過剰に与えることでカロリーオーバーによる肥満の原因や、偏食につながる可能性もあるので注意が必要です。
また、外皮には有毒成分が含まれ、薄皮や筋も消化しにくいため、犬に与える際にはそれらを取り除く処理を施す必要があります。
本日は、クレディセゾンのペット事業編集部の筆者が、実際に我が家の愛犬にみかんを与えて、与え方や注意点などを詳しくお伝えしますので、初めて愛犬にみかんを与える飼い主の方は、ぜひ参考にしてください。
小型犬にみかんを与える際の注意点
今回は、我が家の愛犬「ナナ」にみかんを食べてもらいました。ナナは
10歳のミニチュアダックスフントで、みかんを食べるのは今回が初めてです。
◆筆者の愛犬ナナ
ビタミンCをはじめとした栄養素を豊富に含んだみかんは、犬が食べても大丈夫です。しかし、食べ過ぎるとカロリーオーバーで肥満の原因になったり、栄養が偏ってしまう恐れもあります。
特に、みかんに含まれている栄養素のひとつであるカリウムは、ナナのようなシニア犬や子犬が過剰に摂取すると、うまく排出できず体内に蓄積されて、臓器などに悪影響を及ぼす可能性があります。
その他にも、食物繊維や水分が多量に含まれるため嘔吐や下痢を引き起こしたり、ひと房をそのまま食べると、のどに詰まらせたりといったリスクもあるので、特にナナのような小型犬に与える際には注意が必要です。
まずは、小型犬にみかんを与える際の注意点を下記にまとめました。
◆小型犬にみかんを与える際の注意点
・食べやすいように細かくカットするか、絞ってジュースにする
・手持ちで与える際は飲み込んでしまわないように注意する
・果肉のみを与える
・外皮や薄皮、白い筋は与えない
・ゼリーや缶詰などの加工品は与えない
・過剰に与えないよう、少量から様子を見る
・初めて与える場合は、食後の様子や便の状態もチェックする
外皮や薄皮、筋は悪影響があるので注意
特に注意したいのが、みかんの皮(外皮)や果肉を包む薄皮、筋は食べさせてはいけない点です。
薄皮や筋は、食べてしまっても直ちに悪影響があるわけではありませんが、消化しにくく消化器官に負担がかかりやすい部位です。
そして、外皮には特に注意が必要です。外皮には農薬が付着している可能性がありますし、外皮自体にも中毒成分が含まれているため、犬に食べさせることは絶対に避けましょう。
低いテーブルにみかんを置いているようなご家庭は、犬が興味を示して噛りついてしまうこともありますので、犬の手が届かない場所に置いておくようにすべきです。
ゼリーや缶詰などの加工品は糖分過多なので与えない
また、市販されているみかんゼリーや、みかんの缶詰などの加工品の多くは、砂糖やシロップが多量に使用されているため、カロリーオーバーで肥満の原因となりますので、犬に与えるのは避けるべきです。
また、グミなどの加工品には、犬にとって猛毒であるキシリトールが配合されていることもありますので十分に注意しましょう。
みかんの与え方
それでは、実際に与えたみかんについて、詳しく説明してまいります。
今回与えたみかんについて
今回ナナに食べてもらったみかんは、近所のスーパーで購入した6個入り500円ほどの一般的な温州みかんで、1個あたり約100gのMサイズです。
◆購入した和歌山県産のみかん
今回は、購入したみかんの3房を細かくカットし、1房を手持ちで食べさせたので、計4房を与えました。犬にみかんを与える際の適量については後述します。
薄皮や筋を丁寧に処理し果肉だけを与える
まずは3房(26g程度)を細かくカットして与えました。筋を取り除き薄皮をきちんと剥いてから果肉だけをカットします。温州みかんは小さい上に果肉が柔らかいためつぶれやすく、薄皮も剝がれにくいので、なかなか時間がかかる作業でした。
このように、気軽につまんで食べさせることができそうなみかんですが、実際に犬に与える際には手間をかける必要があります。
◆食べやすいように果肉を細かくカットする
手持ちで与える際も薄皮を剥がすことを忘れない
1房は手持ちで与えました。自身がみかんを食べるついでに、愛犬にそのまま1房与えてしまった方もいるかもしれませんが、手持ちで与える際も、薄皮をきれいに剥いてあげるのを忘れないようにしましょう。
◆薄皮を剥がして果肉だけを与える
小型犬に与える分量は?
ペットフード公正取引協議会によると、おやつやスナックなどの間食を与える量は、1日のカロリー必要量(RER)の20%以内におさえるのが好ましいとされています。
ナナは体重が約
4.5kgで
10歳のシニア犬なので、1日のカロリー必要量は
340〜
350kcal程度です。
Mサイズのみかんの1房あたりのカロリーは
4kcal程度なので、今回与えた4房程度であれば問題ない分量と言えます。
ただし、あくまで目安となる数値であり、愛犬の体調も影響します。そもそも、
みかんに含まれる栄養素は必ずしも犬にとって必須ではなく、糖分も多い食材ですので、
多くても1/2個程度に留めておくのが良いと筆者は考えます。
間食しすぎると、
主食のドッグフードを食べなくなってしまうこともありますので、与えすぎは禁物です。
なお、犬の1日のカロリー必要量を知りたい際は、多くのウェブサイトで計算式が公開されており簡単に数値を求めることが可能ですので、あらかじめご自身の愛犬の数値を目安として把握しておくと良いでしょう。
実食のようす
まずはカットしたみかんをフードボールに入れて与えました。
柑橘系の匂いでわかったのか、皮の処理をしている間からおねだりされていたので、フードボールを差し出すと勢いよく食べはじめ、すぐに完食しました。
みかん、オレンジ、レモンなどの柑橘系の果物は香りが強い食材です。ナナにとっては嫌な匂いではなかったようですが、これを嫌がる犬も多いようです。嫌がるようであれば、無理に食べさせることは避けた方が良いでしょう。
◆匂いを嫌がる様子もなくみかんを食べるナナ
手持ちで与えたみかんは丸呑みしてしまった
次に、手持ちで1房を与えました。この時、嚙みちぎらせながら少しずつ食べさせるつもりだったのですが、果汁で滑ってしまい1房をまるごと持っていかれてしまいました。
ナナは、普段から食べ物をあまり噛まずに飲み込んでしまうのですが、やはりこの時も噛まずに飲み込んでしまったようです。
幸い、のどに詰まらせるといったことはありませんでしたが、このように濡れている食材を手持ちで少しずつ食べさせるのは難しいと感じました。小型犬~超小型犬になると、丸呑みはリスクがありますので、やはり手持ちで与えるのは避けるべきだと筆者は考えます。
◆手持ちは一口で持っていかれやすい
食後の様子や便に異常はなし
初めてみかんを食べたナナでしたが、食後の様子に特に変化はなく、アレルギー反応なども見られませんでした。
水分量が多いため下痢や軟便の心配がありましたが、与えた量が少量だったこともあり、翌日の便に異常は見られず、おしっこも通常通りの頻度でした。
初めて与える食材は、犬によってはアレルギー反応を起こすこともあるため、まずは少量を与えて食後の様子を見ることと、翌日以降の便もチェックしておくことが重要です。
もし、何らかの異常が認められた場合は、すぐにかかりつけの獣医師に相談するようにしましょう。急ぎの場合はオンライン診療で自宅から獣医師に相談することができるので、普段からオンライン診療が可能な動物病院を把握しておくことをおすすめします。
犬にみかんを与えるメリットはビタミンを豊富に摂れること
よく知られている通り、みかんにはビタミンが豊富に含まれています。特にビタミンCは免疫機能の向上による病気の予防や、抗酸化作用による老化防止などが期待できる栄養素です。
みかんに含まれるβ-カロテンは体内でビタミンAに変換され、目や皮膚、歯などを健康に保つ効果があるとされています。
また、水分量が多いことから適度な水分補給としても効果的です。みかんに含まれる主な栄養成分は下記の通りです。
◆みかんに含まれる主な栄養成分
・ビタミンC
・β-カロテン(ビタミンA)
・カリウム
・β-クリプトキサンチン など
犬にみかんを与えてもOK!ただし手が届くところには置いておかない
今回は、10歳のミニチュアダックスフントに初めてみかんを与えてみました。シニア期になってくると、初めての食材を与えるのは心配もありますが、みかんを美味しそうに食べており、食後の経過も問題もなく安心しました。
みかんは、ビタミンCやβ-カロテンといった美容や健康に役立つ栄養素が豊富な食材です。しかし、与えすぎるとカロリーオーバーや消化不良を起こす可能性もあるので、必要以上に与えすぎないことが重要です。あくまで、おやつ程度に与えるのが良いでしょう。
また、犬に与えて問題ないのは果肉部分に限ります。薄皮や筋の部分は必ず取り除く処理を行ってから与えるようにしましょう。
特に外皮については、有毒成分が含まれますので注意が必要です。そのため、室内犬を飼われている方は、普段からみかんを愛犬の届かない場所に置いておくべきです。
そして、もし初めて愛犬にみかんを与えるのに不安がある方は、与える前にかかりつけの動物病院に一度相談してみることをおすすめします。
特に愛犬が薬を服用中であれば、薬の効き方に影響を及ぼす可能性もありますので、必ず獣医師の判断を仰ぐべきです。そのような相談であれば、自宅から気軽に相談することができるオンライン診療を利用するのがおすすめです。
クレディセゾンが運営するオンラインサービス「セゾンのペットオンライン診療」であれば、オンライン診療を実施している病院を簡単に探すことができるので、ぜひ活用してみてください。