『府中猫の会』の譲渡会に密着!代表石濱さんの熱い思いを取材しました。

猫
更新日:2022年12月07日
『府中猫の会』というボランティア団体ご存知でしょうか?
東京都府中市を拠点に、年間600匹以上の飼い主のいない猫を捕獲、避妊去勢、元の場所に戻したり、里親を探す活動などを行っている保護猫のための団体です。
 猫と人が共存できる社会を作り、全国に広げるための取り組みを行っています。
本日はクレディセゾンでペット事業を担当し、4歳の保護猫を飼う筆者が譲渡会に参加し、代表の石濱江里子さんに取材を行いました。
彼女の熱い思いと譲渡会の様子をお伝えしたいと思います。

『府中猫の会』について代表石濱江里子さんに取材しました

約7年間『府中猫の会』の代表として、府中市の野良猫たちのために活動してきた石濱さんにお話をうかがいました。

Q1:府中猫の会を立ち上げたきっかけは何ですか?

小さな命を守るためです。
『府中猫の会』を立ち上げる前は、東日本大震災の犬猫のシェルターのボランティアに参加していました。
東日本大震災のボランティアを行う中で、自分の家の周りにもたくさんの飼い主のいない猫がいて、どんどん亡くなっていくという現実を目の当たりにしたのです。
灯台下暗しなのではと感じました。
そこで、まずは自分の周りを何とかしたいと思い、『府中猫の会』を立ち上げました。

Q2:府中猫の会の主な活動内容は何ですか?

東京都府中市を中心に各行政と連携を図り、飼い主のいない猫をTNR(ティーエヌアール)※、保護&譲渡を行っています。
※TNR(ティーエヌアール)とは
T(Trap)捕獲
N(Neuter)不妊治療
R(Return)元居た場所に戻す
 
飼い主のいない猫を捕獲して、不妊治療を行い、子猫の数を減らし殺処分される命を減らすことを目的としています。
リリースされた猫たちは地域で餌やりをして守り、地域猫として生きていくことになります。
これは国がガイドラインを作成、推奨されている活動です。
 
ボランティアは現在50名弱。捕獲、預かりなど役割分担をして、みんなで猫のしあわせのために日々できることに取り組んでいます。

Q3:TNR活動を行っていく中での地域の住民の反応の変化はありましたか?

最初は「そんなことして何になるんだ」と馬鹿にされました。
ですが、徹夜で張り込んで、1つの現場で最大100匹の猫を捕獲するなど、無我夢中で気付けば2000匹以上捕獲していました。
すると、見ていた地域の住民達が「あなたたち頑張っているのね」と差し入れや、募金を頂けるようになって、少しずつ認められてきた感じです。
 
実はTNR活動は環境問題にも関係しています。
猫だけでなく地域のためでもあるのです。
飼い主のいない猫が増えると、地域住民の住居内やこどもが遊ぶ公園の砂場で糞尿をするなど問題が発生します。
猫の糞尿は匂いがきつく、さらに感染症などの危険も潜んでいるため大きな問題となっています。
しかしTNR活動を行えば飼い主のいない猫の数を減らすことできるので糞尿も減るのです。
それは、綺麗な街づくりに繋がります。
つまり、地域の人も喜び、殺処分される命も守ることができるのです。
愛するからこそ減らしていく。それがTNR活動です。
 
また、地域住民たちの猫との関り方も変わっていきました。
実は地域の住民たちにも地域猫を守ってもらえるように、府中市と連携して『「飼い主のいない猫」対策のガイドライン』を作成しました。
市とともにガイドラインを作成したことによって、住民の方も納得してくださって、地域猫を一緒に守っていただけるようになりました。

Q4:今までの活動の中で思い出深い出来事があれば教えてください。

今までの活動の中で最も印象に残っているのは、登校拒否のこどもがいる家庭に子猫を譲渡したことです。

ある日の譲渡会に、登校拒否のこどもがいる家庭の方が来場しました。
そのご家族は「この子、猫が大好きなので」と、最初はお子さんの友達のような存在ができればという思いで来場されたそうです。
そのご家族は「この子が良い」と思える猫を見つけ、私たちはそのご家族に譲渡することを決めました。
すると、子猫2匹をお迎えしたそのご家族に変化が起き始めました。
ずっと部屋に引きこもっていた登校拒否のこどもが、猫に会うために少しずつリビングにでてくるようになったのです。
そして折り合いの悪かったお父さんとも猫を通じて会話が生まれ、自然とみんなでご飯を食べることが習慣になり、ついには登校拒否だったこどもが都立高校に合格し、学校に行くようになりました。
 
この出来事のように、人間と共生する中で、殺処分されるはずだった命が人を笑顔にし、人も猫も愛に包まれて生きていけるようにと願い、活動しています。

Q5:次の目標はありますか?

日本全国殺処分0です。
この世に生まれて無駄な命はない、死んでいくために生まれてきたわけじゃないので……。
 
実は『府中猫の会』を立ち上げた当初、「10年かかるだろう」と言われた府中市の飼い主のいない猫問題を、5年で達成しようと目標を掲げていました。
ですが、なんと5年ではなく4年で目標が達成できたのです。
現在府中市では滅多に飼い主のいない猫の子猫は生まれません。
また市役所からは、猫の轢死体が激減したとの報告も受けています。
 
東京都でできたのだから、日本全国でもできると思います。
この間も熊本県で多頭崩壊で生まれた猫たちを、空輸で東京まで連れてきて保護しました。
現在、当会の預かり宅で家猫として暮らす練習をして譲渡も進んでいます。
もうすぐ第三便もやってきます。
このように少しずつでも活動を広げていけたらと考えています。

Q6:石浜さんが目指す今後の『府中猫の会』とは

登校拒否のこどもがいる家庭に譲渡したエピソードのように、猫と人が共存できる社会を作る活動をしていきたいです。
また、他力本願にならないボランティア団体を目指しています。
「他力本願にならない」というのは支援に頼り切るのではなく、自分たちで猫たちのためのお金を作るということです。
なので、私は会社も立ち上げてYouTubeも始めました。
売り上げはすべて府中市の飼い主のいない猫問題に投資しています。
私は会社の代表取締役でもありNPO法人の代表理事でもあり、ユーチューバーでもあり活動家でもあるのですが、きっと世間では猫のために生きている、なんか変な人だと思います。
でもそれで良いと思っています。

取材後、猫の譲渡会に参加しました

2022年11月20日(日)に府中LIGHT UP LOBBYで開催された譲渡会に参加させていただきました!
当日は200名弱の来場者がいらっしゃいましたが、整理券で入場制限も行われていたので、混雑することなく見学することができました。
猫の譲渡会に興味がある方は、下記の流れを参考にしてください。
〈当日の流れ〉

①譲渡会場に行きます。入口には写真のような看板があり、スタッフの方も親切に案内してくれるので初めての方も安心です。
②受付でスタッフの方から説明を受け、整理券とアンケートを受け取ります。
③アンケートと一緒に当日参加している猫の紹介資料がもらえるので、その資料を見ながら整理券に書いてある時間になるのを待ちます。
④オープンしたら、早速参加している猫を見学します。
ケージには入っている猫の情報が記載されているので、資料を見ながら見学すると分かりやすいです。

⑤迎えたい猫が見つかったら、アンケート用紙に記入します。
記入したアンケート用紙を持って、スタッフの方とお話します。
 
 
⑥家に帰って連絡を待ちます
※当日にお迎えすることはできません。


 
会場ではグッズの販売もしています。これらのグッズの売り上げはすべて保護活動に使用されます!
グッズを購入する際は、机に置いてある募金箱にお金を入れます。
筆者はこちらのピンクのタオルを購入しました。
今治タオルなので、使用感も大満足です!
 
筆者が参加した譲渡会は府中LIGHT UP LOBBYで開催されましたが、開催日によって譲渡会の場所などが違います。
譲渡会に参加してみたいという方は、下記URLの『NPO法人 府中猫の会』のブログをご確認ください。

『府中猫の会』を支援する3つの方法

現金で振り込み

医療費を中心とした活動費として使用されます。
保護している猫の猫砂やごはんなどにも使用されています。
振込先は下記リンクからご確認ください。

YouTubeの視聴

動画を視聴するだけで支援ができます。
CMもスキップせずに視聴することでさらに支援ができます。
チャンネル登録をすると通知も受け取ることができるので、新作動画がアップされたらすぐに気が付くことができますよ。

グッズの購入

譲渡会場でも販売していたグッズが購入できます。
売り上げは猫たちの医療費、食費、猫砂などの雑費に使用されます。
デザイナーをしているボランティアの方がデザインしており、非常におしゃれです。
支援に関する注意事項や詳しい内容は下記リンクからご確認ください。

まとめ

『府中猫の会』は行政によって殺される命を減らし、猫と人が共存できる社会を目指してTNR、猫の保護活動に励むボランティア団体です。
この記事を見て『府中猫の会』から猫を迎えたい!と思っている方は、ぜひ記事内で紹介した『府中猫の会』のブログを確認してください。
また、支援したい!という方は、支援の方法もお金の振り込みだけではないのでこの記事を見て、自分に合った支援方法を見つけてみてください。

この記事の筆者:ペット事業編集部

クレディセゾン2020年入社
幼いころより、亀・ウサギ・犬など様々な動物とともに暮らしてきました。
現在はパグと猫(キジトラ)と一緒に生活しています。
2022年より動物事業を担当しております。